安いドッグフードを買う前に!
公開日:2022/08/16 / 最終更新日:2023/11/08
安いドッグフードの注意点
ドッグフードの良し悪しは
価格で決まるわけでは
ありません。
安いからといって
悪いとは限りませんし、
逆に高ければ良い
というわけでもありません。
しかし、
安いには安いなりの理由があり、
その中でも
注意すべき点は
大きく三つあります。
- 栄養バランスに偏りがある
- 使われている食材の質が悪い
- 不必要な添加物が含まれている
それぞれ詳しく
解説していきましょう。
1、栄養バランスに偏りがある
ドッグフードには
「総合栄養食」や
おやつなどの「間食」、
治療を目的とした「療法食」など、
いくつかの種類があります。
一般的に、
AAFCO(全米飼料検査官協会)という団体の
栄養基準を満たしたものが
「総合栄養食」と謳われています。
「栄養基準を満たしているなら安心」
と思われがちですが、
ここに注意点があります。
「基準」というのは
成分が多すぎないか、
少なすぎないかという話で、
良いか悪いかの
基準ではありません。
最低限の基準を満たしたら、
残りはかさ増しの原料だけ
ということもできてしまうのです。
手元にドッグフードがあれば、
原材料を確認してみてください。
小麦粉やトウモロコシなどの
穀類が
最初に書かれていませんか?
穀類も
貴重なエネルギー源になりますので
入っているから悪い
ということではありませんが、
安いドッグフードでは
必要最低限の
栄養しか摂れていなかったり、
必要のない栄養を
摂り過ぎていたりする
可能性があるということに
注意が必要です。
2、使われている食材の質が悪い
先ほど総合栄養食の「基準」は
成分が多すぎないか、
少なすぎないかと話しました。
量の話ですので、
その成分が何に由来しているかは
問われていません。
良質な肉を使っても
粗悪な肉を使っても
タンパク質の量は同じなのです。
みなさんは「4Dミート」
という言葉をご存じでしょうか。
以下のような肉のことを
指しています。
- 1Dead:死んだ動物の肉
- 2Dying:死にかけの動物の肉
- 3Diseased:病気の動物の肉
- 4Disabled:障害のある動物の肉
これらは
人間用の食肉加工で
廃棄された骨や
内臓と一緒になり、
工業用や畜産飼料、
そしてペットフードとして
利用されています。
いくら合法で
安全性に問題が無いとしても、
家族である愛犬に
そういった肉を食べさせたい
とは思わないですよね?
確認していただきたいのは、
原材料に書かれた
- 「チキンミール」
- 「ポークミール」
- 「ミートミール」
といった「◯◯ミール」
という表記です。
「ミール」というのは
肉骨粉と訳されるもので、
一般的には
食肉にならないクズ肉や
内蔵、骨、皮、
頭などを乾燥して
粉にしたものとされています。
鳥の場合は
羽やくちばし、
トサカなどが利用される
こともあります。
そういった
「チキンミール」が含まれる
ドッグフードは少なくありません。
ただし、「◯◯ミール」は
製品によって
定義が異なりますので、
4Dミートが含まれるもの、
含まれないもの、
肉や骨だけしか使われてないもの
などさまざまです。
ですから
「ミールだからダメ」というより、
どんな肉の
どの部位が
どのように利用されているか
わからないことが
ミールの問題と言えるでしょう。
3、不必要な添加物が含まれている
添加物とは、
一般的に保存料(防腐剤)、
酸化防止剤、着色料、保湿剤、
香料などを指すものです。
日本では
ペットフード安全法によって
賞味期限の表記が
義務付けられています。
賞味期限が長いほうが売れますし、
メーカーとしては
廃棄も減らせて一石二鳥です。
そうすると保存料が多くなり、
日がたつと
酸化が進みますので
酸化防止剤も増えていきます。
着色料は何のために入れるのでしょうか?
特に意味はありません。
飼い主さんの目を楽しませるため
だけに配合されています。
売れるから入れる。
売れるから安くできる。
安いドッグフードの中には、
犬のことを考えていない
ものもあるのです。
安いドッグフードのリスク
日本には
「ペットフード安全法」
という法律があり、
ペットの健康に悪影響を及ぼす
ペットフードの製造や輸入、
販売は禁止されています。
そのため、
一般に流通しているものであれば
安いドッグフードであろうと
直ちに問題になるようなことは
ありません。
しかし、
- 「愛犬に良いごはんを食べさせてあげたい」
- 「健康的な食生活を送ることで長生きしてもらいたい」
という観点で考えると、
安いドッグフードは
オススメできない点があります。
- 良質なタンパク質が摂取できない
- 栄養の消化吸収量が低い
- どんな材料が使われているか不明
- 不必要なものが多く含まれている
ドッグフードの選び方
ドッグフードの良し悪しは
値段で決まるものではありませんので、
高いものを買えば
安心というわけではありません。
特にドッグフードを選ぶ際に
注目していただきたいのは、
以下の4点です。
- 原材料を確認する
- 食いつきに騙されない
- 製造過程が見える化されている
- プレミアムフードを選ぶ
それぞれ詳しく
解説していきましょう。
1、原材料を確認する
パッケージに
騙されないようにしましょう。
見るべきは原材料の欄で、
含まれる順に
書かれています。
最も多い原材料が
小麦粉やトウモロコシなどの
穀類になっているものは
オススメしません。
しっかり
タンパク質が摂れるように、
肉類から記載されているものを
選ぶようにしましょう。
添加物などは
知らない成分もあると思うので
難しいとは思いますが、
保存料や着色料
などが含まれていないか、
含まれているとしたら
どんなものかも
確認してみましょう。
2、食いつきに騙されない
「高いドッグフードにしたけど
食べてくれなかったので元に戻した」
というのはよく聞く話です。
ドッグフードを選ぶ際に
「食いつき」を重視する
飼い主さんは
少なくないと思いますが、
「食いつき」と「健康的な食事」は
必ずしも一致する
わけではありません。
私たちも、
ジャンクフードを
健康的な食事だと思って
食べることはありませんよね?
空になった
ポテトチップスの袋を見て、
罪悪感を持った
経験がある方は少なくないと思います。
3、製造過程が見える化されている
愛犬に食べさせるものですから、
飼い主さんが
どんなものを食べさせているか
理解していなければいけません。
原材料がどうやって作られ、
それがどのように運ばれ、加工され、
製品化されているのか。
きちんと見える化されている
ドッグフードを選びましょう。
最低限の
表示しかされていないものは、
飼い主さんへの責任が
しっかり果たせているとは言えません。
自ら情報を見せるという姿勢は、
- 「良いものをつくっている」
- 「犬のことを真剣に考えている」
という意思表明と
言えるでしょう。
4、プレミアムフードを選ぶ
最近は
量販店で売られている
ドッグフードよりも高価格な
「プレミアムフード」と呼ばれるものが
増えてきています。
それらは
レシピから材料、
製造過程にこだわった
「健康的な食事」を
提供しようとしています。
ただ、
「量販店で売られているドッグフードよりも
良いから高いドッグフード」なのか。
「家族の食事だと考えれば
安いドッグフード」なのか。
「高い」「安い」を決めるのは
飼い主さん自身です。
情報を鵜呑みにせず、
飼い主さんが情報を確認した上で、
良いと思うものを
選んであげてください。
まとめ
- 安いからダメとは言えないが、安さには理由がある
- 栄養バランスや食材の質、添加物に注意が必要
- 食いつきに騙されず、原材料や製造過程を理解して選ぶ
- プレミアムフードは健康的な食事である可能性が高い
犬を家族と考える人は
とても多くなりましたが、
家族であっても犬は犬。
犬の栄養学は
まだまだわからないことが
多くあります。
しかし、研究が進む中で
わかってきた「犬の健康的な食事」は、
犬の寿命を
着実に伸ばしてきました。
ちょっとした違いであっても
何年も積み重なっていけば
大きな差を生み出します。
いつまでも一緒にいたい
と思う愛犬のため、
飼い主さんが
本当に食べてほしいと思える
ドッグフードを
選んであげてください。
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