子犬期(パピー)の食事!正しい量や回数って?

公開日:2024/10/15 / 最終更新日:2025/02/14
子犬の食事の基本
子犬は生後
3~4週間で母乳から
離乳食や子犬用(オールステージ対応)の
ドッグフードへ切り替え、
大人になるための栄養を
しっかり摂っていく
必要があります。
しかし、
子犬の成長は
飼い主さんが思っているよりも
早いことが多く、
病院で
「与える量の不足による痩せすぎ」を
指摘される機会は
少なくありません。
まずは
新生児期から離乳期以降まで、
フードの選び方や
与え方など
子犬の食事の基本を
解説します。

新生児期(生後2週頃まで)の犬の食事
母乳について
哺乳期の犬にとって
大切な栄養源である母乳は、
高エネルギーで
栄養価も高く、
消化率も高い完全食品です。
特に
分娩直後
約72時間に分泌される母乳は
初乳と呼ばれます。
この初乳を介して
病気に対する免疫が
母犬から子犬へと受け継がれます。
また、
初乳には
子犬の腸内細菌叢を
(さいきんそう(腸内に生きている細菌の集団)
正常に保つ働きもあります。
したがって、
初乳をこの時期に
可能な限り与えることは、
子犬の成長に
大変重要です。
初乳は、
生後1週間ほどすると
成熟乳になります。
この成熟乳に比べて
初乳に含まれるたんぱく質は
(ほとんどが免疫グロブリン)
約2倍で
ビタミンAも多く含んでいます。
なお、
初乳と成熟乳ともに、
鉄分は不十分ですが、
離乳食を摂取するようになると
必要な鉄分を
蓄えるようになります。
代用乳について
小型犬は平均
2~3頭の赤ちゃんを、
中型犬や大型犬ですと
6~10頭の子犬を出産します。
母犬が産んだ
子犬の数が多いと、
弱い子犬に
母乳が渡らず
衰弱してしまったり、
低血糖症になってしまったりする
こともあります。
全部の子犬に
母乳が行渡っているかを
確認するためには、
体重が適度に
増加しているかを
毎日確認する必要があります。
その結果をみながら
「新生児用代用乳で補充する」
などの対応をしましょう。
特定の子犬だけに
代用乳を与えるのではなく、
同腹犬をグループに分けて、
一方のグループが
母乳を飲んでいるときに、
もう一方のグループには
代用乳を与えるようにすると
良いでしょう。
体重の増加率によっても
哺乳回数は異なりますが、
最初の1週間は
できるだけ頻繁に
与えるようにします。
具体的には、
「1日に10回前後」が目安になるでしょう。
2週以降では
1日5回ほど与えましょう。
なお、
新生児期は
下痢をしやすいため、
母乳や代用乳以外の飲み物を
与えることは控えます。

離乳期の子犬の犬の食事
(生後5週目頃~生後2か月頃)
生後3~4週ほど経つと
乳歯が生えてきます。
この頃になると、
子犬は
母犬の食べていたフードなどに
興味をもつようになりますので、
様子を見ながら
成長期用のフード
または
オールステージ対応のフードに
ぬるま湯を加え、
お粥状にして
食べさせましょう。
子犬用のフードを
粥状にするには
ミキサーを利用するのも
良いでしょう。
離乳食を作る際、
ドライフードをふやかすために
熱湯を使うと、
フードの栄養まで
壊してしまうことがあります。
使用するお湯の温度には
注意をしましょう。
フードを選ぶ際には
必ずAAFCO基準を満たした
総合栄養食と表示されているものに
しましょう。

離乳後から成犬期の子犬の犬の食事
(生後3か月頃~1歳頃)
離乳後の子犬は
まだまだ赤ちゃんですが、
その後
ぐんぐんと成長を遂げ、
生後半年すると
性成熟を迎える子もでてきます。
幼い中にも
大人びた表情を見せ、
飼い主さんを
驚かせる頃です。
離乳後から1歳頃までは、
同じ成長期のうちでも
成長のスピードが異なりますので、
成長過程に見合った
食事内容と量を
与える必要があります。
食事量
成長段階に要求される
食事内容は、
ドッグフードを包装してある袋に
印刷してありますので
必ず
確認しながら与えましょう。
離乳期ごろの犬が摂取する
カロリー・栄養は、
全体の約半分は
健康維持のために、
約半分は
成長のために使われます。
生後6か月を過ぎるころになると
成長のスピードは
ぐっと落ちてきます。
このころを過ぎると、
成長のために使われる
カロリー・栄養の比率が下がり、
健康維持のために利用する比率が
上がってきます。
このような変化にあわせて、
生後6か月ごろを過ぎると
給与量を減らす
フードもありますが、
エネルギー密度は
各フードによって異なりますので、
必ず
与えているフードについて
確認しましょう。
一方で
フードの裏面に書いてある
給与用は目安です。
年齢や体型、
行動量によって
犬ごとに必要なカロリー量は
異なります。
毎月必ず体重を測り、
カロリー量を
増減するようにしましょう。
食事の回数
成長が著しい時期には、
たくさんの栄養素や
エネルギーが必要ですが、
子犬の胃は小さく
また消化機能の成長も
まだ不十分です。
そのため、
栄養価が高く
消化性の高い食事を、
一日に数回に分けて与えてあげたほうが
望ましいでしょう。
離乳直後は日に5回~6回程度、
生後5か月位までは
3回くらいが理想ですが、
忙しい生活を過ごす飼い主さんの場合は
難しいこともあります。
可能な範囲で
工夫していただければ良いでしょう。
食事内容の移行方法
歯がしっかりと生えてきて、
だんだん
犬の消化能力が整ってきますが、
3か月ごろになると、
ウンチの状態や目の輝き、
身体の動きなど、
犬の様子を見ながら、
粥状から少しずつ
固いものを与えるようにします。
移行する際の注意点は、
「ゆっくり、少しずつ」です。
ふやかすお湯の量や時間を
10日ほどかけて
少しずつ減らすことで、
犬の消化器官に
負担をかけないようにします。
「そろそろ一歳だな」という頃になると
幼犬用のお食事から
成犬用の食事に切替えるか、
全年齢のオールステージ対応の
フードにしましょう。
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ドッグフードの正しい切り替え方!失敗した場合のリスクは?

子犬に食事を与える際の注意点
低血糖
子犬は
体に糖分を蓄える機能が
十分に備わっていないため、
食事から摂取した糖分を使い切って
低血糖になることが
少なくありません。
低血糖になると
神経症状が起こり、
放置すると
死に至る可能性もあります。
生後3カ月までの子犬は
特に要注意です。
関連記事
犬の低血糖!症状や対処法って?
下痢・嘔吐
下痢や嘔吐は
犬でよく見られる症状ですが、
成犬では
一時的な不調も
子犬では
短時間に深刻な問題へ発展してしまう
可能性があります。
消化器が未発達なため
ちょっとしたストレスで
下痢や嘔吐をすることもありますが、
子犬で注意したいのは
寄生虫や細菌、ウイルスなどの
感染症です。
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子犬のドッグフードはどれを選べば良い?
犬のごはんは一般的に
「カリカリ」と呼ばれる
ドライフードが選ばれがちですが、
超高温加熱で食材本来の栄養や
旨味が失われてしまったり、
保存性を高めるために
酸化防止剤が
添加されたりしています。
何より、
食事から水分を摂れないことは
脱水によって引き起こされる
病気のリスクを高めます。
そのため
食べるだけで水分補給になる
ウェットタイプのごはんが
お薦めです。
ただし、
ウェットフードには
保存料が添加されているものが
多くありますので、
ウェットの中でも
冷凍フレッシュフードを
選んでいただくのが理想的です。
よく
「ウェットフードは歯周病になりやすい」と
言われることもありますが、
明確なエビデンスはありません。
ドライフードでも
歯周病になる犬は
たくさんいますので、
歯磨きを頑張っていただくほうが
よっぽど重要です。
食事を食べない・偏食の悩み
犬にとって食事は
楽しみで待ちきれない
一大イベントです。
しかし、
それが食べないとなると
飼い主さんとしては
心配してしまいますし、
実際に
食べずに低血糖になれば
命にも関わってきます。
以下のような理由が
考えられます。

どれか該当するものがないか
確認してみてください。
病気が関わる可能性もありますし、
食べない理由が
多岐にわたる場合もあります。
一人で悩まず、
獣医師やドッグトレーナーに
相談していただければと思います。
アレルギーが心配
犬も食事で
アレルギーを発症します。
心配して
症状がないうちから
アレルギー検査をされる
飼い主さんもいらっしゃいますが、
検査は
たくさんの食材の中から
可能性の高いものを絞るために
行います。
陽性が出た食材を食べたからといって
必ず
症状が出るわけではありません。
犬のアレルギー症状は
多くが顔やお腹、
足などの痒み、
下痢や嘔吐です。
何かしら
疑わしい症状が出ていない限り、
積極的に
検査を受ける必要はありません。
陽性が出ただけで
食材を避けてしまうと
愛犬の食の選択肢を狭め、
飼い主さんも余計な負担を
増やしてしまいます。
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手作りごはんを食べさせたい
近年、
愛犬のために
新鮮な手作りごはんを
食べさせてあげたいと思う
飼い主さんが増えてきました。
しかし、
毎日のごはんを
手作りにすることは
犬の栄養学を
しっかり学んだ方でないと難しく、
リスクを伴うため
推奨しません。
愛犬のために作ったごはんで
体を壊してしまっては
本末転倒ですので、
基本のごはんは
総合栄養食にしてください。
おやつであれば
それほど栄養の過不足を
気にしなくても大丈夫です。
もちろん
犬が食べても大丈夫な食材か、
調理方法に
注意点がないかなどは
必ず
調べるようにしてください。

離乳期以降の子犬におすすめの食事
犬も栄養バランスの良い
ごはんを食べることで
健康を維持することができます。
ごはん選びをする際は、
以下の2点を
気を付けていただくといいでしょう。
1、総合栄養食を適量与える
犬が必要とする栄養は
人間と同じではありません。
そこで生まれたのが
「総合栄養食」と呼ばれるごはんです。
おやつなど
「一般食」や「副食」と呼ばれる
ごはんだけ食べていると
体を壊してしまいますので、
「総合栄養食」のごはんを
選ぶようにしましょう。
総合栄養食を食べていても
与える量が少なければ
痩せてしまいますし、
多ければ
太ってしまいます。
パッケージに書かれた食事量は
目安ですので、
ボディ・コンディション・スコアで
「3」の「理想体型」を維持できる量を
与えるようにしてください。



2、添加物の少ない新鮮なごはんを選ぶ
犬のごはんと聞いて
「カリカリ」と呼ばれる
茶色い豆粒を
想像される方も多いと思いますが、
正しくは
「ドライフード」と呼ばれる
加工食品です。
保存しやすく
食いつきも良いことから
犬のごはんとして
一般的になりましたが、
高温加熱によって
食材本来の栄養が失われ、
添加物も多く含まれることから
見直しが進んでいます。
新鮮な野菜を
犬や猫に与え続けることで、
様々ながんに罹るリスクを
軽減することが
研究で判明していたり、
市販のドライフードを製造する
工程の1つである高温加熱処理が、
タンパク質の品質劣化を招き、
熱に弱いビタミンを破壊し、
さらには
発がん性物質を生成してしまうことが、
研究により判明しています。
そこで生まれたのが
素材本来の旨味や香りが楽しめ、
余計な添加物も入っていない
「フレッシュフード」と呼ばれる
新鮮なごはんです。
実際に従来の
ドライタイプのドッグフードよりも、
水分がより多く含まれた
手作り品質のごはんを食べている犬の方が
寿命が
3年も長くなることが
研究により明らかになっています。
新鮮で美味しく、
健康なごはんを選ぶことが
長生きできる秘訣です。
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まとめ
- 子犬は低血糖のリスクが高い
- こまめに体重を量り食事量の不足に注意
- ドライフードよウェットフードがお薦め
- 手作りごはんは犬の栄養学を学んでから
子犬の食事は
健康な体を維持するだけでなく、
体そのものを作っていく
栄養摂取でもあるため
非常に重要です。
病気に注意することはもちろん、
水分が摂れているか、
余計な添加物は入っていないかなど、
愛犬のために
考えなければいけないことが
たくさんあります。
困った際は、
獣医師やドッグトレーナー、
ペット栄養管理士など
専門家を頼ってください。

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