北海道外で寄生虫が定着?愛犬の「エキノコックス」予防!
公開日:2024/08/07 / 最終更新日:2024/08/07
エキノコックスとは?
エキノコックスとは、
北海道のキタキツネを
主な感染源とした寄生虫です。
糞便と一緒に排泄された
虫卵が人の体内に入ることで、
重い肝機能障害を起こす
可能性があります。
犬も、
感染したネズミを介して
感染源となります。
北海道外でも注意が必要な感染症に
先日、
「エキノコックスが愛知県で定着した」という
新聞記事が掲載されましたが、
「公式には愛知県内で定着したという
発表は行っておりません」
でした。
エキノコックスの感染経路
自然界では
エキノコックスの幼虫が
野ネズミ(中間宿主)に寄生し、
そのネズミを食べた
キタキツネや犬(終宿主)が
感染します。
エキノコックスは
キタキツネや犬の体内で成虫になり、
糞便と一緒に
虫卵が排泄され、
それを食べた野ネズミが
感染します。
これが
エキノコックスの生活サイクルです。
エキノコックス感染サイクル
出典:愛知県衛生研究所
人(中間宿主)へは、
キタキツネや犬の糞便から排出された
虫卵が水や食物、
埃などに混じり、
口に入ることで
感染が起こります。
犬は虫卵で感染しないため、
犬から犬への感染は
ありません。
人の体内では
成虫にならないため、
人から人への感染もありません。
猫も感染する?
猫も終宿主として
野ネズミから感染する
可能性があります。
猫の小腸内では
エキノコックスの発育が悪く、
成長して卵を産むことは
ほとんどないと
考えられていました。
しかし、
北海道では
飼い猫の糞便から
虫卵から検出されており、
人への感染リスクは
ゼロではありません。
感染したらどうなる?
犬に感染した場合
犬は基本的には
無症状で過ごすことが多く、
重症化した場合は
下痢が起こります。
治療は
駆虫薬を使って
体外への排出を行います。
関連記事
犬の下痢!原因や病院に連れていくべき症状とは?
人に感染した場合
人の体内では
発育が非常に遅く、
5年~10数年をかけて
徐々に体を蝕んでいきます。
最終的に
重い肝機能障害を引き起こし、
放置すると
死に至ります。
早期であれば
治療薬で成長阻害・増殖抑制ができ、
病巣の摘出手術をすることで
根治します。
エキノコックスに感染しないために
愛犬・愛猫の
エキノコックスの感染予防対策として
注意点を以下にまとめました。
- お散歩時は必ずリードを付け愛犬から目を離さない
- ドッグランでは愛犬から目を離さない
- 猫はネズミを狩る習性があるため室内飼育を徹底する
- 定期的に予防薬を飲ませる
- お散歩後は手足を綺麗に洗う
- 野菜をあげる際は丁寧に洗ってからあげる
飼い主さん自身の注意点
愛犬・愛猫の糞便から
家庭内で感染しないよう、
上記の注意点に
気をつけてください。
そのほか、
キタキツネや野犬の糞便から
感染する可能性がありますので、
野山に出かけた後は
手をよく洗い、
山菜や野菜、果物等も
よく洗ってから
食べるようにしてください。
沢や川の生水は
きれいに見えても
寄生虫や細菌が含まれている
可能性があります。
必ず煮沸してから
飲むようにしましょう。
まとめ
今回、愛知県での
定着が明らかになったことで
不安に思う飼い主さんも
多いと思います。
エキノコックス症が
どんな病気で
愛犬・愛猫や飼い主さんが
どんなことに注意すればいいのか、
正しい知識で適切に
予防・対処をしていきましょう。
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