ウェットフードは歯に悪い!本当なの?
公開日:2024/11/06 / 最終更新日:2024/11/06
犬の歯について勉強しましょう
動物はそれぞれ
口の作りや
歯の形が異なります。
皆さんは、
なぜ動物ごとに
違いが出るのか
ご存じでしょうか?
その答えは、
食生活が
深く関係しているといわれています。
私たち人間は
雑食動物であり、
肉以外にも
穀物なども食べるため、
奥歯は平らな形をしています。
顎関節も
上下に開閉するだけでなく
水平方向に動くことで、
すり潰すような
動きをすることができます。
これにより
奥歯でしっかりと噛み砕いて
すり潰し、
消化しやすくしてから
飲み込むことが
可能になっています。
一方、
犬は基本的に
肉食動物ですので、
歯の形や顎の動きが
人間とは大きく異なります。
野生の犬は
食べ物を
狩猟で獲得してきましたので、
獲物を倒すための
犬歯が大きく発達しています。
(犬歯は、威嚇のためにも用いられます)
人と犬の食べ方の違い
犬の歯は
全部で永久歯が
42本あります。
乳歯は28本です。
生えている場所によって
さまざまな形をしていて、
前から
- 「前歯(切歯)」
- 「犬歯」
- 「前臼歯」
- 「後臼歯」
に大きくわけられます。
倒した獲物は
「裂肉歯(れつにくし)」という
鋏状(はさみじょう)に噛み合わさる奥歯で
丸呑みできる大きさに
噛み切り、
人間のように
咀嚼はせずに
そのまま丸呑みします。
裂肉歯は、
その噛み合わさり方が
「シザーバイト」とも呼ばれ、
上下顎とも奥歯の中で
一番大きな歯で、
犬歯とともに
犬の食事に最も重要な
歯の一つになります。
前歯(切歯)、
前臼歯のほとんどは
物の運搬などにしか使われません。
食事に
ほとんどすべての歯を用いる
人間との違いを
理解していただけると思います。
犬は歯が無くても大丈夫?
野生の犬は
裂肉歯で獲物をかみ切り、
あとは
「丸のみ」する
食生活を送っています。
そのため、
かみ切る必要のない
ドッグフードであれば、
かみ砕くこともなく
飲み込んでいるはずです。
(食事後すぐに吐いたのを
ご覧になったことがある方は、
食べたご飯がそのまま
吐き出されていることに気付くと思います)
そのため
極端なことをいえば、
人間と生活して
ドッグフードを食べる生活をしている限りは、
歯が
一本も無かったとしても
困らないのです。
また、
人間は常に
上下の歯が面と面でかみ合わさって
顎に力がかかっているため
歯が無くなると
顎の筋肉や骨が
やせ細ってしまいますが、
犬は
歯が無くなっても
人間のような弊害が
起こりません。
そのため、
「犬は歯が悪くなってしまったら
無理に残さず抜いてしまった方が良い」
と言われるのです。
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犬の歯でケアしたいことは?
犬の虫歯
まず、
人と違い犬は
虫歯になりづらいとされています。
犬が虫歯になりづらい理由は、
主に
3つ挙げられます。
- 人の唾液は弱酸性(pH約6.5)であるのに対し、
犬の唾液は
アルカリ性(pH約8.5)であるため、
犬の口の中は虫歯菌が繁殖しづらい環境です。 - 人の歯は平らで
歯と歯の隙間が空いていないので
歯垢がたまりやすいのに対し、
犬は歯と歯の隙間が広く
歯がとがっているため、
歯垢が溜まりにくい作りになっています。
(そのため虫歯になるなら平らな奥歯が多いです) - 虫歯菌は糖質をエサとし、
粘り気のあるグルカンを生成して
歯にごびりつきます。
人は唾液にアミラーゼという消化酵素を含み、
口腔内で炭水化物を分解して
虫歯菌のエサにもなる糖分を作るのに対し、
犬は唾液にアミラーゼを含まないため、
口腔内で糖分が作られることはありません。
虫歯ではなく、歯垢や歯石に注意
犬は虫歯になりづらいと
書きましたが、
だからといって
歯磨きをしなくていい
ということにはなりません。
虫歯になりづらい一方で、
ミネラルが多い
アルカリ性の唾液は
歯垢(プラーク)と結び付いて
歯石になりやすく、
歯垢を放っておくと
3~5日で歯石になってしまいます。
人はそれが
約20日ほどかかりますので、
犬の歯石化は
かなりスピードが速いといえます。
犬は歯磨きをしないと
口臭が酷くなるだけでなく、
歯石ができて
歯垢がたまり
歯周病になったり、
歯周病から
さまざまな内臓疾患につながる
可能性があります。
歯磨きをすることで、
それらの病気のリスクを
予防することができるのです。
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歯石ってそもそも何?
歯石は
食べかすが固まってできたものと
思われがちですが、
正しくは
「歯垢とミネラルが結び付いて
石のようになったもの」です。
歯垢は
食べかすを餌にしている細菌と
その代謝物の塊で、
人の歯の表面にも見られる
白いネバネバした物質です。
歯垢に
唾液の中のカルシウムを含む
ミネラルが沈着することで
石灰化が起こり、
鍾乳洞のように
硬い石の層ができていくのです。
そうやってできたものが
歯石です。
犬の歯周病について
近年、
ペットの小型化や
高齢化によって
歯周病の数が増えています。
2歳以上の犬猫の8割以上に
歯周病がみられると
言われているほどです。
人の場合は、
歯周病に伴って
- 細菌性心内膜炎
- 動脈硬化
- 皮膚病
- 肥満
- 糖尿病
- 呼吸器感染症
- 関節炎
- 骨粗鬆症、
- 腎臓病
を引き起こす
可能性がありますが、
犬に関して
まだ正確には分かっていません。
しかし、
歯根膿瘍、
下顎骨折などの重症化だけでなく、
心筋症や心内膜炎、
慢性気管支炎、肺線維症、心内膜炎、
腎炎などの関連が
報告されています。
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日頃からの歯磨きが大切
歯垢や歯石がつかないように、
日頃から
歯ブラシを使った
歯磨きやデンタルガムでの
ケアが大切です。
もし歯石がついた場合は、
かかりつけの獣医師に
相談しましょう。
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まとめ
フードによって歯石や歯垢は異なる?
歯のケアが大切だということを
理解できたところで、
では
ドライフード、ウェットフードによって
歯石がつきやすくなるのでしょうか?
答えは、NOです。
前述の通り、
犬は歯で食べるのではなく、
飲み込んで
食事を楽しみます。
そのため、
フードが歯に
直接的に関係することは少ないです。
しかし、
ウェットフードには
水分量が多く
「飲み込む前に歯の周りにフードが残りやすい」
ということで
歯石や歯垢がつきやすくなると
伝えられているのです。
確かに
ドライフードの方が
乾燥された状態のため、
歯石や歯垢が
つきづらいこともありますが、
フードがどのタイプであろうと、
日頃からの
歯磨きケアが大切ということに
変わりはありません。
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