ぶどうが犬に危険な理由って?中毒の目安量は!
公開日:2021/12/15 / 最終更新日:2023/05/30
ぶどうは犬にとって危険で、
中毒症状により
急性腎不全を引き起こす
リスクが高い食べ物です。
全ての犬に
中毒症状が出るわけではないと
言われていますが、
急性腎不全を発症すると
治療を試みても
死に至る可能性が高くなります。
レーズンや干しぶどうも
注意すべきなのか、
万が一ぶどうを食べてしまったら
どのように対処すべきなのか、
解説します。
ぶどうの中毒症状
ぶどうの中毒症状は、
食べてから2~5時間の間に
現れることが多いそうです。
症状が出ていなくても、
ぶどうを食べたことが発覚したら、
可能な限り早く
病院に連絡しましょう。
獣医師の指示に従い、
家で様子を見るか
病院での受診が必要かを判断します。
ぶどうによる中毒症状の例
- 嘔吐や下痢
- 食欲不振
- 元気がない
- 水をたくさん飲む
- お腹を痛がる
- 尿量増加
- 脱水
マスカットもNG
ぶどう同様、
マスカットも
犬に与えてはいけない食べ物です。
ぶどうの一品種なので、
成分はぶどうと同じです。
犬に与えたり、
誤飲したりしないように注意してください。
レーズンやジュースなどの加工品もNG
レーズン(干しぶどう)や
ぶどうジュースなどの加工品も、
犬には食べさせるべきではありません。
特にレーズンは
水分が抜けている分、
摂取する量が多くなり危険です。
実際、誤って
ぶどうパンを食べさせてしまい
亡くなったケースも報告されています。
食卓にぶどうジュースや
レーズンなどが置いてあるときは、
誤って犬が食べてしまわないように
しっかりと注意しましょう。
中毒症状を引き起こす目安の量は?
中毒症状を引き起こす
摂取量の目安は、
体重1kgに対し
10~32gと言われています。
しかし、中毒の原因は
詳しく解明されていないので、
少量であっても
食べさせるべきではありません。
日本獣医師会の
ぶどうによる中毒の症例レポートにも
「発症は必ずしも摂取量だけに依存するわけではなく,
発症例の摂取量を超えるブドウを食べても
発症しない犬がいることも報告されている」
と表記されています。
中毒症状は、
ぶどうの種類や生産環境、
犬自身の健康状態が
影響するのではないかと考察されています。
※体重1kgあたり
3gのフルーツを摂取し
て腎臓傷害が引き起こされることもあり、
犬の許容量には
大きなばらつきがあります。
大量のぶどうを食べて
何の問題もない犬もいますが、
だからといって
腎不全のリスクを負わせるべきではありません。
もし愛犬が大量のフルーツを
食べてしまったら、
すぐ獣医師に診てもらう必要があります。
急性腎不全になった犬の症例
ぶどうを摂取したことで
急性腎不全を発症し、
死亡した犬の事例の報告があります。
その症例によると、
やはりぶどうは
犬の健康を害する果物であると認識できます。
オスのマルチーズ(3歳)は、
夜に種なしの小さなブドウを
皮ごと70gほど食し、
接種後5時間ほどたつと
嘔吐を繰り返すようになったそうです。
同時におしっこもしなくなり、
ぶどうを食べた翌々日に
病院で受診した頃には
ほぼ虚脱状態
(意識がぼんやりし呼吸が浅くなるなど、
意識障害をきたしている状態)になり、
急性腎不全が疑われました。
受診後は即入院をし
排尿を促す治療が行われましたが、
腎臓の機能は回復せず
入院3日目には
無尿(むにょう:1日の排尿が100ml以下になった状態)
となり、
死亡してしまったとのことです。
海外の症例を含めると、
ぶどうを食べた後の中毒症状は
共通する部分が多く、
5時間前後で嘔吐が始まり
急性腎不全を発症する犬が多いようです。
犬がぶどうやレーズンを食べてしまった時の対処法
症例レポートによると
乏尿(ぼうにょう)や
無尿まで症状が悪化した
犬の場合の生存率は
乏尿では24%、
無尿の場合は12%と
かなり低くなっています。
現在では乏尿、無尿の症状があり
急性腎不全が疑われる場合は
積極的に透析(腎臓の機能を人工的に行うこと )
などの治療が推奨されているようです。
犬がぶどうやレーズンなどを
食べてしまったことが分かったら、
すぐに動物病院に連絡をしましょう。
摂取後1時間ほどは
ぶどうの毒性が
吸収されていない場合があるので、
嘔吐を促す治療で
様子を見ることができるかもしれません。
しかし決して
個人の判断で様子を見たり、
嘔吐を促す行為したりはせず
獣医師の指示に従ってください。
まとめ
- ぶどうは犬の急性腎不全を引き起こす可能性が高い
- 症状が出ていなくても、できるだけ早く病院に連絡を
- マスカットや加工品もNG
ぶどうの何が
犬にとって有害かは
まだ研究が進められていますが、
腎不全を引き起こしてしまう
可能性が高いことは
認識され始めています。
ぶどうは犬に与えず、
もし誤って食べてしまった場合は
「うちの子は大丈夫」などと思わず、
すぐに病院に行きましょう。
万が一のことを考えて
行動することが大切です。
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